メンバーさんが投稿してくださったシナリオフックをもとに「母親の、愛の……?」というセッションを遊びました。
シナリオフック投稿者さんにもプレイヤーとしても参加していただいたので、シナリオの内容までは相談できなかったのですが、アイデアだしの話し合いなど楽しかったです。
シナリオフックのセッション化は、これからどんどん挑戦したい。挑戦していただきたいので今回はどのように進めたのか紹介させていただきます。
シティアドベンチャーを「ふたつのS」というもので管理してみたのでその手法も案内させていただきます。
目次
Discordでの打ち合わせ。日程確認と設定確認。アイデアだし
まずはDiscordでシナリオフックの投稿者さんと連絡をとります。
メッセージという機能で個別に連絡する感じです。
日程確認
たぐっちゃん: おつかれさまです
たぐっちゃん: 少しお伺いしたいことがあるのですが。4月の夜オンセ空けられる日はどのくらいあるでしょうか?ブランカのシナリオフックでシナリオ考えようかと思っていて、参加できる日があればぜひ挑戦してみたいなと思いました
たぐっちゃん: 4月のうち魚介類さんと私の都合のいい日を伝助で案内して募集できればと考えております
たぐっちゃん: 6日ほど候補日があるとありがたいです
たぐっちゃん: ご一考ください
魚介類: こんばんは!おお~やった~!
四月は12日までは予定があるのですが、それ以降は15日、22日、25日を除き今のところ夜開いております!
たぐっちゃん: おーですか
魚介類: セッション開始時間は22時から固定でお願いすることになっちゃうと思うのですが、それでも大丈夫でしたら!?( ‘ω’ )?
たぐっちゃん: 13日以降で開催させてください
たぐっちゃん: 22時OKです
魚介類: やった~!ありがとうございます!
たぐっちゃん: 2~3回でおわるようなシナリオにしてみます
まずは投稿者さんの日程を確認をします。
投稿者さんにの都合のいい日を伝助で案内する感じです。
10日間の間に6日ほど候補日をあげていただき、3日のマッチング目指すのが間延びせずテンション高く遊べる目安かなと思います。
設定確認
たぐっちゃん: お母さんのムチを水戸黄門の印籠やスケバン刑事にヨーヨーみたいなあつかいにできればとおもっています
たぐっちゃん: もともとそれをつかって取締みたいなのをしていて、その鞭をブランカがもらった
たぐっちゃん: その鞭はその職業の証でもあるので、その職の人と間違われてブランカが事件巻き込まれるみたいなのにしたいのですが
たぐっちゃん: シナリオフック的に問題ないでしょうか?
たぐっちゃん: ムチなのは傷つけずに捕まえられるからとかそんなエピソードもいれられればとおもっております
魚介類: なるほど~!すごい、かっこいいですね!!
たぐっちゃん: これならお母さんの過去知らないブランカとして普通にセッションに参加してもらえるかなと
たぐっちゃん: お母さんとお父さん、あとご兄弟いたら教えてもらえるとうれしいです
たぐっちゃん: もりこんでみます
たぐっちゃん: あとお母さんたちの名まえか
魚介類: あ、なるほど!お母さんの職業の詳細はブランカ=わたしも知らない!って感じですね?おもしろーい!!
たぐっちゃん: その職の名はきめたいですね「その鞭は!あなたは●●ですか!」みたいな
たぐっちゃん: 何か案あります?
魚介類: かっこいい……!
シナリオフックとして漠然と考えていた設定としては、おかあさんは若いころラッターで、開拓者として働きつつも、裏では街の後ろ暗いやつらとつるんで闇の運び屋をやっていたのだ……!みたいな感じでした
たぐっちゃん: 運び屋いいですね
たぐっちゃん: 逃げさせ屋みたいなのにしようかな
魚介類: しかしある日普通の運び屋のお父さんと出会い恋に落ち、足を洗って普通の運び屋さんとして働き始めたのでした、めでたしめでたし!という感じ
たぐっちゃん: 以前だしたあやしい犬の集団から抜け出したい家族を助ける
魚介類: おお~!それかっこいいですね!!
たぐっちゃん: いいですね。最後に鞭で捕まえたのは旦那様だったはやろうとおもってましたw
たぐっちゃん: 料理もそこからおぼえたとかPBWで出た情報活かしたいなと
魚介類: とてもいい~!ありがとうございます!
たぐっちゃん: escaper、エスケーパーにしようかな
魚介類: さっきの設定も、自分でやるならそういう方向だな~と考えてただけのやつなので、たぐっちゃんさんの味付けで作っていただけるとPLとしても嬉しいです!
魚介類: か かっこいい~~~!!!!
たぐっちゃん: そういうほうこうでかんがえてみます
たぐっちゃん: 性格とかだけ想定とぶれるともうしわけないので
たぐっちゃん: 名まえ、外観、簡単な設定、名簿みたいなセリフ考えてもらえると嬉しいです
たぐっちゃん: 先にほかの部分から考えてみるので
魚介類: はあい、了解です!できたらまたここに提出しにきますね!楽しみだ…!!
たぐっちゃん: 6日くらいまでにもらえるとうれしいです
魚介類: 了解しました!
たぐっちゃん: 侵入警察みたいなのかんがえていたけど、エスケーパーのほうがいいですね
たぐっちゃん: いいアイデアいただけた
たぐっちゃん: ありがとうございます
たぐっちゃん: シティアドベンチャーものになる予定です
魚介類: こちらこそ~!シナリオフック拾っていただけてうれしいです!
家族設定諸々早めに仕上げてもってきますね!
Discordは素材のやり取りもできて便利です
たぐっちゃん: シナリオタイトルはシナリオフックのもの使っていいでしょうか?ご自身でガイドする予定がおありなら別のものにしてもいいのですが、せっかくなら使えればなと
魚介類: おおーっ!すごい!もうタイトル画像ができている…!!
シナリオフックタイトル使っていただいて大丈夫です!
魚介類: 家族の設定についても本日中くらいにはお送りできると思うのでよろしくお願いします!
魚介類: 気付いたら日付回ってた~!夜遅くにすみません!ブランカの家族設定描いたのでお送りしておきます!?( ‘ω’ )?
たぐっちゃん: 今日は6時起きだったのですが、素敵なイラストで一気に目が覚めました。すぐにお礼言いたかったのですが、寝られたの遅かったと思い、7時まで待ちました。イラストと設定ありがとうごさいます。
たぐっちゃん: シナリオ本編に盛り込んでみます
たぐっちゃん: セッション後にイラスト公開して開拓者ポイントもお渡ししますね
たぐっちゃん:シナリオフックのシナリオ化は今年度取り組んでいきたいのでいろいろ協力いただいてありがたいです
Discordは素材のやり取りもできて便利です。
今回も素材や設定などのやりとりに便利でした。
作った素材など進捗の案内はまめに
たぐっちゃん: シナリオの仕込をはじめております。実家の位置を教えていただけますか。W1という感じに教えていただけるとありがたいです。右側Eです
魚介類: おおー!そこまで決めちゃっていいんですか!すごい!!
ではE2あたりでおねがいします!
たぐっちゃん: 了解です。選択肢の一つとして実家を訪ねるはしたいなと
たぐっちゃん: ご家族のイラストをおみせしたい
魚介類: おお~…!! じゃあ立ち絵もうちょっと綺麗に描きたいな…!wwもし間に合えば持ってきます!(?ω?)
たぐっちゃん: 立ち絵まで!
たぐっちゃん: 先日の設定画をおみせするつもりでした
たぐっちゃん: それぞれのキャラと透過で頂ければたしかにコマにできます
たぐっちゃん: ご兄弟はお母さんの過去知っていることにします?
たぐっちゃん: 依頼人を預かっていただけるか的なイベントがある予定
魚介類: 兄弟も知らない感じでいました!
の過去を知っているのはお父さんだけ…という
たぐっちゃん: 了解です
たぐっちゃん: うちにそんな過去がみたいなはんのうにしてみます
魚介類: ありがとうございます!よろしくお願いします!
たぐっちゃん: 豪華なセッションになりそう
魚介類: こんにちは!ブランカの家族たちの背景透過立ち絵作ったのでお送りしておきます?( ‘ω’ )?
たぐっちゃん: おーすごい
たぐっちゃん: つかわせていただきます
たぐっちゃん: シナリオ上登場人物が管理しきれなかったのでお兄さんたちは今回出せそうもなくて
たぐっちゃん: 設定画とともにセッション後公開させていただきますね
魚介類: 了解です!シナリオフック拾ってシナリオ作っていただけてるだけでありがたいので…!!
魚介類: よろしくお願いします!
たぐっちゃん: イラストみるとだしたくなるけど、マスタリングできる自信がなくすみません
魚介類: いえいえ!ただ設定として存在するよというだけですし描きたくて描いたものなのでお気になさらず!
たぐっちゃん: こういうもの仕込んでいたのですがいただいたイラストに差し替えておきます
魚介類: おー、さっそく!
たぐっちゃん: 質感とかパワーアップされているので
魚介類: やった~!セッション楽しみです…!
魚介類: よろしくお願いします!
たぐっちゃん: イラスト本当にありがとうございます
たぐっちゃん: はやくみなさんにみせたい
実際にシナリオに
実際にシナリオにしていく作業をします。
この段階で決まっているのは「エスケーパーの設定」「シティアドベンチャー」で行こうという事だけです。
ここからシナリオをくみ上げていきます。
PCがかかわる理由やシチュエーションを入り口にしてみる
シナリオ作りの入り口として「PCがかかわる理由やシチュエーション」から考えることは多いです。
パグマイアはPCは「善き犬」という存在なので依頼を受けてくれる理由は作りやすいです。
「困っている人を助ける」という王道でいけます。
今回はそれに「引退していたブランカのお母さんも動く」という理由も足せるように、「以前助けた犬が頼ってくる」というシチュエーションを考えました。
ブランカが生まれる前の話なのでだいぶ前のものと考えました。
どういうものがいいかと考えたのですが、シナリオフックのタイトルが「母親の、愛の……?」でしたので、困っている母親を助けるものにしました。
ブランカのお母さんの愛でもあるし、その母親の愛でもある感じです。
お母さんは娘さんのピンチは一番困るだろうと娘さんが誘拐されたことにしました。
ということで誰が犯人かを考えることにしました。
最初は王都に潜む犬の過激派からの脱退とかも考えたのですが、娘さんの年齢が高めになってしまいそうだったのでやめました。
何かいいアイデアがないかと考えていた時に、ラジオで「ハーメルンの笛吹き男」の話題がでました。
子どもが連れ去られる話です。
変わった一団に連れ去られるというシチュエーションが浮かびました。
過去の回で何か流用できるアイデアがないかと考えたところ、今年が子年ということで遊んだ強化ネズミ怪人と戦う話のことを思い出しました。
そこで干支にあたる石が残り11個あるという情報をだしていたので、そちらの設定を流用し、干支の石の一つに適性があり誘拐されたという事にしました。
敵のボスも干支の怪物にすることにし、これは子の後の丑にすぐ決まりました。
少女自体をどうするか悩んだのですが、もふもふのビション・フリーゼがさらにもふもふになったら面白いなと、未の石にしました。
これでシナリオの根幹として「未の石の適性をもった女の子がさらわれた。その子は以前ブランカのお母さんが助けた人の娘ということでブランカのお母さんも動きだす。王都を巡りながら少女を助け出す」というものができました。
これをTRPGのシナリオとしていきます。
今回は以前から試したいと思っていた「ふたつのS」というものでシナリオ化ゲーム化してみました。
シナリオの進行度一目でわかる。PCたちの活躍で真相が深まる「ふたつのS」
「ふたつのS」では「進行度」と「真相度」のふたつで情報収集シーンを管理していきます。
実際の運用はこちらをご覧ください。
初めての試みだったのですが、運用しやすくシナリオのセルフチェックもやりやすかったです。
システムで専用の情報収集のないものには流用できる遊び方かと思います。
事件の進行を表す「進行度」
事件の時間的な進行をあらわします。
進行度が蓄積することでイベントが起きる場合もありますが、敵に有利になることが多いので、できるだけ進行度は上げずに情報収集することになります。
シナリオ的には、5.10.15に達するとマスターシーンを案内し事態が進行するように運用しました。
事件の真相に迫る「真相度」
事件の真相に迫ることを表します。
真相度が累積することでイベントが起きることがあります。味方に有利になることが多いので、真相度をどんどんためていく方向で情報収集していただければとおもいます。
また真相度を消費することで、セッション中に案内された真相カードをオープンすることができます。
蓄積した進行度の数値はのこります。
これはPCの活躍の見える化要素ともいえます。
蓄積することでPCに有利な状況になり、またリソースとしてさらなる真相がわかるデザインにしてみました。
情報収集できる場所は、獲得できる「進行度」と「真相度」を持ちます。
セッションが進んでいくと、行ける場所が増えます。
情報収集できる場所は、獲得できる「進行度」と「真相度」を持ちます。
おとずれてシーンが進行することで、そこに案内された「進行度」と「真相度」を獲得します。
「or」と案内されている場所は判定で獲得する「進行度」と「真相度」が変わります。
「進行度」と「真相度」には「1or3」という感じに案内されている場所があります。
そちらでは判定があり、その結果で獲得できる「進行度」と「真相度」が変わるという事がわかるようにしてあります。
- 進行度に「or」がある場合は、真相を得るために時間がかかってします可能性があることがわかります。
- 真相度に「or」がある場合は、判定に失敗すると得られる情報量が下がってしまうことがわかります。
これはPLさんたちに選択の目安として案内しています。
実際のセッションでも「こちらの方が面倒だが情報は集まるようだ」と言っていただいたのでうまく運用できたかと思います。
トリガーとしても使える「真相カードのオープン」
PCの活躍としてさらに真相に迫れる「真相カードのオープン」
これをトリガーとしてフラグ管理やイベントの発生要素として利用しました。
今回で言うと「エスケーパー」のオープンで進行度10のイベント内容がよいものになるというトリガーと、逆に「 痩せた手品師」のオープンで真相に迫りすぎたPCに追手がかかる形で戦闘イベントを仕込んでみました。
これは真相カードのオープンという真相にせまる要素のイベントとしてとてもうまく運用できました。
「進行度」と「真相度」の累積数を確認してシナリオをセルフチェック
シナリオの確認作業、とくにシティアドベンチャーシナリオの事前チェックは難しいですが、「ふたつのS」はその作業もしやすかったです。
各イベントの「進行度」と「真相度」を確認していくことで行えます。
見るべきところは「進行度は15を超えるか」と「真相度は全部の真相カードをオープンできる分溜まるか」です。
今回のシナリオは
- 1/1 アニス誘拐事件
- 1o3/3 E2ブランカの実家
- 1or3/1or3 E6 ミスターミャウのグルーミングサロン
- 1o3/3 S1 誘拐現場
- 1/2 s4怪我したブルドック
- 1or2/1or3 S2広場のサーカス団
- ラウンド数/1トリガーイベントネズミの襲撃
という内容で、進行度は7~13+で、真相度は10~16となります。
真相カードは
- 2 ブランカのお母さん
- 1 エスケーパ
- 1 痩せた手品師
- 3 怪物の能力
だったので、全真相オープン必要真相度7なのでシナリオ的に条件を満たしていることを確認できます。
TRPGの意外性とセッション進行からみた情報収集という行為
過去にブログにも書いたのですが「ふたつのS」のデザインコンセプトを説明させていただきます。
過去の経験から言うと、プレイヤーが対処に困るほどの意外性(サプライズ・インパクト)はいらないと思っています。
- 実はボスは知り合いだった。いいやつだった。
- 初めて見る対処しようもないオリジナルデータの敵
などは、プレイヤーが対処に困るほどの意外性だと思ってます。
これは今回はセッション進行という尺度でTRPGの意外性を考えていきたいのでアウトです。
情報を「ヒント」と「真相」で分ける。PCの活躍で「ヒント」は渡す。「真相」深くなる。
こういった状況をうまないために事前に情報を出しておくと大丈夫なのかなと思います。
最近情報は、「ヒント」と「真相」で分けて考えるようにしています。
「ヒント」は、ハンドアウトや導入などでのNPCとのやり取りでもう渡してしまいます。
「真相」は、実はこういうことおきたのは、こういう理由だった。NPCにはこういう事情があったン度の情報です。これはPCの活躍で「深まる」ようにしています。
情報収集は面白く遊ぶのが難しい。最近面白かったのはブラッドパス
情報収集は面白く遊ぶのが難しいです。ここでの情報収集はあっているのか無駄にセッション時間を経過させていないだろかという気持ちになります。
判定と組み合わせて情報収集をするシステムも増えてきて、あっここは情報収集シーンなんだな。このシーンやるのは間違っていないんだなと思えるシステムもあります。
最近だとさらに進化させたブラッドパスの「調査進行度」は面白かったです。
失敗しても「調査進行度」を1点は蓄積できるというのはとてもすばらしかったです。
「調査進行度」は目標とする数値も開示されるので、失敗しても届くことがわかっているなら、話を盛り上げるためや手札を調整するたまにわざと判定に失敗するもできるのは、かっこいいシステムだなと思いました。
「意外性」よりも「PCの活躍」に重点を置いたシナリオ作りのための「ふたつのS」
実際にセッションを遊んでいても「意外性」でセッションを面白いと振り返ることは少ないです。
やはり「PCの活躍」の話を振り返ることが多いです。
シナリオというセッションに向けての事前準備に取り組めるのはGMだけだと思うので、「意外性」よりも「PCの活躍」に重点を置いたシナリオ作りを心掛けていければと思いから生まれたのが「ふたつのS」です。
シナリオフックのシナリオ化も、「ふたつのS」も面白がってくださるメンバーさんがいるからこそ実現できました。
こちらの企画は私の30年近いTRPG人生でも最高峰にTRPG経験値を積めている感じがあります。
パグマイアがもともと洋書という事で、海外のTRPGノウハウ本も読んでいます。
いくつかおすすめのものを紹介します。
シナリオフックのシナリオ化も、「ふたつのS」も面白がってくださるメンバーさんがいるからこそ実現できました。
あらためて感謝いたします
こちらのメンバーさんとならいろいろなTRPGの遊び方を試せるとおもいます。
他のメンバーさんもシナリオフックのシナリオ化挑戦していただけると嬉しいです。